Thailand Import Car Business of BMW / アモーン・グループのBMWディーラー

タイのBMW販売の老舗―アモーン・グループ

アモーン・グループは、タイにおける自動車販売とサービスを中心とした多角的な企業グループで、特にBMWの正規ディーラーとして知られています。 本記事では、

1.アモーン・グループの歴史

2.取り扱い商品

3.自動車販売事業について

4.BMW各店舗の特色

5.顧客層

6.今後の展望

について詳述し、タイにおける外国車の人気や関税制度も併せて考察します。

1.アモーン・グループの歴史

アモーン・グループの歴史と成長:コーヒースタンドからBMWディーラーへ

概要

アモーン・グループは、タイにおける自動車販売とサービスの分野で確固たる地位を築いている企業グループです。その歴史は決して順風満帆ではなく、小さなコーヒースタンドから始まり、数々の試練を乗り越えながら成長を遂げてきました。現在ではBMWやメルセデス・ベンツの正規ディーラーをはじめ、スクーターの販売や保険事業まで多岐にわたる事業を展開しています。では、アモーン・グループの歩みとその成功の秘訣を紹介します。


コーヒースタンドから中古車販売へ:アモーン・グループの始まり

アモーン・グループの創業者であるアモーン・タンバニョンプアンパカ・タンバニョンは、タイ・バンコクのワット・サンウェット・バンランプーの壁際でコーヒーを販売することからビジネスをスタートさせました。そこから、1966年にラチャワット通りの小さなショールームを開設し、「アモーンサービス」という名で中古車販売を開始しました。当初はわずか2台の中古車販売からのスタートでしたが、誠実さと努力を積み重ねることでビジネスは順調に成長していきました。


メルセデス・ベンツ専門ディーラーとしての成長

1976年、アモーン・グループはさらに規模を拡大し、ラチャダピセーク・ロードに移転して「ベンツ・アモーン・ラチャダ」という名称で中古車販売を継続しました。この時期、アモーン・タンバニョンは、タイ国内でメルセデス・ベンツの中古車を専門に販売する最初のディーラーとなり、その名を広めることになります。

さらに、彼は業界で初めて「生涯無料保証修理」を提供するアフターサービスを確立しました。この保証制度が顧客の信頼を生み、リピーターを獲得する要因となりました。こうして、アモーン・グループはメルセデス・ベンツの中古車市場のリーダーへと成長を遂げました。

その後、事業のさらなる発展に伴い、現在では「Amorn Warranty」へと名称を変更し、メルセデス・ベンツだけでなくBMWの中古車販売も手がけるようになりました。新世代の経営者たちが事業を継承し、グループ全体のさらなる成長を支えています。


BMWの正規ディーラーとしての拡大

2008年、アモーン・グループは事業を多角化し、「アモーン・ラチャダ1966」という名でスクーターブランド「ベスパ」の正規ディーラーとしての活動を開始しました。さらに、2012年にはBMWの公式ディーラー「アモーン・プレステージ」を設立し、高級車販売の分野に本格参入しました。これにより、メルセデス・ベンツと並び、BMWの販売・メンテナンスサービスを提供することで、さらなる市場拡大を実現しました。


保険事業への進出とグループの拡大

2015年には、アモーン・グループは自動車販売だけでなく、リスク管理の分野にも進出しました。「AMGインシュアブローカー」という企業を設立し、自動車保険をはじめとする包括的なリスク管理サービスを提供するようになりました。

現在、アモーン・グループは「Ampak Holding Company Limited」のもとで7つの関連会社を運営しており、その事業は自動車販売だけでなく、保険、修理、部品販売など多岐にわたっています。


アモーン・グループの関連企業と事業内容

アモーン・グループは、以下の7つの企業を中心に運営されています。

  1. BMW Amorn Prestige (Amorn Prestige Co., Ltd.)

    • BMWの正規ディーラーとして新車・中古車販売を展開
  2. BMW Amorn Prestige 中古車 (Amorn Prestige Co., Ltd.)

    • BMWの中古車販売を専門とし、保証付きの車両を提供
  3. Vespa Amorn (アモーン・ラチャダ1966 Co., Ltd.)

    • スクーターブランド「ベスパ」の正規販売代理店
  4. アモーンビジョン (バンコク) Co., Ltd.

    • 企業向けの自動車リース・ファイナンスサービスを提供
  5. Stars Serv (AMRオートパーツ&サービス(株))

    • 自動車部品とメンテナンスサービスを提供
  6. AMGインシュアブローカー株式会社

    • 自動車保険を中心としたリスク管理サービスを展開
  7. GWM Amorn Ratchada (Ampak Holding Co., Ltd.)

    • 中国の自動車メーカー「GWM(Great Wall Motors)」の販売代理店

アモーン・グループの歴史からみた今後の展望

アモーン・グループは、過去の成功にとどまることなく、さらなる成長を目指しています。特に、電動車両(EV)の市場が拡大する中で、BMWのEVモデルやGWMのEV車両の販売を強化し、環境に優しい移動手段の提供を目指しています。

また、保険事業やアフターサービスのさらなる充実を図ることで、顧客満足度を高め、長期的な関係を築いていく方針を掲げています。


アモーン・グループ歴史のまとめ

アモーン・グループは、コーヒースタンドから中古車販売、そしてBMWやメルセデス・ベンツの正規ディーラーへと成長してきた企業です。その成功の背景には、顧客との信頼関係を大切にする姿勢と、誠実な経営方針があります。

現在では、自動車販売だけでなく、保険やアフターサービスにも事業を拡大し、タイ国内の自動車業界を牽引する存在となっています。今後も電動車両の導入や顧客サービスの向上を図り、さらなる発展を遂げることが期待されます。

2.取り扱い商品:自動車メーカーおよびその関連商品

上記でも記載していますが、アモーン・グループ車関連取り扱い商品は以下の通りです。
  • BMW車両: 新車および中古車の販売を行っています。
  • メルセデス・BMW等のライフスタイル商品: メルセデスやBMWブランド、他のアクセサリーや関連商品を取り扱っています。
  • スクーターブランド「ベスパ」: イタリアのスクーター、ベスパを取り扱っています。
  • GWM: 中国の自動車メーカー「GWM(Great Wall Motors)」の販売を行っています。

3.自動車販売事業について

販売ブランドの一つ―BMWについて

タイでのBMWの人気は高いですが、日本車や他の欧州車と比較すると、特定の層に強い支持を受けています。以下の点からBMWの人気について詳しく説明します。

高級車市場でのポジション

タイの自動車市場では、高級車が比較的限られたターゲット層に向けて販売されています。BMWはその中でも、特にビジネスエリート層や富裕層に支持されています。BMWの車は高品質なデザインとパフォーマンスを提供しており、タイ国内で自動車を選ぶ際のステータスシンボルとしての要素もあります。

BMWのラインナップと人気モデル

タイ市場では、BMWの中でも「BMW 3シリーズ」や「BMW 5シリーズ」、「BMW X5」などが特に人気です。これらのモデルは、タイ国内の道路事情やユーザーのニーズに適した性能を発揮し、ビジネスパーソンや家族層からの支持を得ています。また、「BMW X1」や「BMW X3」など、コンパクトSUVも人気があり、都市部での使用に適しています。

環境意識と電動車両

タイ国内でも環境意識が高まり、電気自動車(EV)の需要が増えています。BMWは「iシリーズ」などの電動車両を提供しており、これらのモデルも今後ますます需要が高まると予想されています。電動車両を導入することによって、BMWはエコ意識が強い層の消費者にもアピールしており、特に都市部では電動車の人気が高まっています。

アフターサービスとブランド価値

BMWはタイ国内で信頼されているブランドであり、そのアフターサービスの品質にも定評があります。正規ディーラーであるアモーン・グループのようなディーラーが提供する高品質なメンテナンスやサポートサービスも、BMWの人気を支える要素となっています。

タイでの販売と市場シェア

タイでは日本車が圧倒的なシェアを持っていますが、BMWは高級車市場の中で一定のシェアを確保しています。特にバンコクやパタヤ、チェンマイなどの都市部ではBMWの車両を多く見かけ、都市部の富裕層に人気が集中しています。

タイ国内では、BMWは「高級かつ実用的な選択肢」という位置付けを確立しており、長年にわたり安定した人気を保っています。また、BMWが提供する先進的な技術や革新性も、タイの消費者にとって魅力的な要素となっています。

BMW販売についてのまとめ

BMWはタイにおいて、高級車市場の中で安定した人気を誇り、特に富裕層やビジネスエリート層に支持されています。環境に配慮した電動車両や高品質なアフターサービスが、ブランドの魅力を一層高めており、今後もタイでの需要は増加していくことが予測されます。

4. 各店舗と特色

アモーン・グループは、タイ国内に以下の主要な拠点を展開しています。

  1. アモーン・グループ・ホールディングス(ラチャヨーティン)本店:子会社を運営、ブランド管理、戦略的な事業開発、マーケティング支援、業務効率化を行う。グループ全体のガバナンスやリスク管理を行い、各事業部門を統合的に監督しています。場所(出典:Google Maps)
  2. アモーン・プレステージ・ラチャヨーティン(ラチャヨーティン):ラチャダピセーク通りに位置しています。この拠点では、新車の販売、アフターサービス、修理など、BMW車に関する総合的なサービスを提供しています。場所(出典:Google Maps)
  3. アモーン・プレステージ・ユーズドカー・ランシット(ランシット): パトゥムタニ県のランシット地区にあり、新車ショールーム、BMWプレミアムセレクション(中古車)、およびサービスセンターを完備しています。場所(出典:Google Maps)

5. 顧客層

アモーン・グループの顧客層は、主に以下のような特徴を持っています。

  • 高所得層: BMWなどの高級車を購入する経済的余裕のある層。
  • 企業経営者や専門職: ビジネスパーソンや専門職の方々。
  • 自動車愛好家: 高品質な車両やサービスを求める車愛好家。

富裕層はものともしないタイでの高額関税

ここで、タイでの関税について。タイにおける自動車の輸入関税は高く、特に外国車に対しては厳しい税制が適用されています。 一般的に、自動車の輸入関税はCIF(Cost, Insurance, Freight)価格の80%とされています。(出典:Asia Business Assembly

さらに、物品税や付加価値税(VAT)などが加算され、最終的な販売価格は大幅に上昇します。 例えば、CIF価格が500,000バーツであれば、輸入関税だけで400,000バーツが課され、これに物品税やVATが加算されるため、最終的な販売価格は大きく膨らみます。この関税があっても購入できる人は購入していきます。

6. 今後の展望

アモーン・グループは、今後も以下のような取り組みを通じて、タイ市場での地位をさらに強化することが期待されます。

  • 電動車両の導入: 環境意識の高まりに応じて、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の取り扱いを強化する可能性があります。
  • サービスの多様化: 顧客のニーズに応じて、メンテナンスパッケージや金融サービスなど、付加価値の高いサービスの提供を拡充することが考えられます。
  • デジタル化の推進: オンラインでの車両購入やサービス予約など、デジタルプラットフォームの強化を進めることで、利便性の向上を図るでしょう。

以上のように、アモーン・グループはタイにおける自動車市場で重要な役割を果たしており、今後も多様な取り組みを通じて、顧客満足度の向上と市場シェアの拡大を目指すと考えられます。アモーン・グループの今後の動向に注目しながら、タイの自動車市場の変化を見守っていきましょう。

また、後日アモーン・グループの他の取り扱い自動車メーカーであるGWMやベスパについては取り上げたいと思います。


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